
ビニロンの用途
包装材料として優れた特性を持つビニロン袋が特に向いている内容物と合成樹脂として際立った特徴を持つビニロンの意外な用途についてご紹介させていただきます。
ビニロン袋包装が向いている内容物
(素材・生地、製品)
カシミヤ、ウール、ニット
ビニロンは高い透湿性を持っています。カシミヤやウール等の獣毛はそれ自体が呼吸をするかのように水分の吸着/放出を繰り返しています。毛糸から発生する水蒸気を外部に逃がすことで製品へのダメージを防ぎます。(袋内部での結露やカビの発生を防止します。)
また、帯電性が低いので静電気によるホコリの吸着や繊維・生地自体へのダメージを防ぎます。
高級衣料品、着物
ビニロンが持つ独特の光沢と透明性の高さとシワや傷が入りにくい特性から、内容商品の美しさを引き立てます。柔軟性があり、ソフト感・ボリューム感のアピールが可能です。
ノンスリップフィルム(滑りにくい)なので、重衣料を積み重ねた場合でも荷崩れがし難いです。
また、ポリプロピレン(IPP,OPP)やポリエチレン(PE)の袋の多くには酸化防止剤(BHT等)が含まれており、それによって天然素材やナイロンが黄変することがあります。ビニロン袋には酸化防止剤は一切含まれておりません。なお、段ボールや包装紙に含まれているバニリンによっても黄変は起こりますので、注意が必要です。
そして、天然素材で作られることが多い着物・和装品にもビニロンは適しています。
長期保管の場合、湿気がこもらないように通気性のある不織布ケース(不織布袋)に入れます。
透湿性の高いビニロン袋は透明な不織布ケースとも言え、店頭や流通時の着物を守ります。
ビニロン袋と他ビニール袋の比較画像

ビニロン袋
IPP袋
ポリ袋
左から「ポリ袋(PE)」「IPP袋」「ビニロン袋」です。
画像では分かり難いかもしれませんが、ポリ袋やIPP袋が濁っている(霞んでいる)のと比較してビニロンはクリアーで中身が綺麗に見えています。
また、IPP袋は中央に横一線の折り目が付いていますが、ビニロン袋は折り跡が残っていません。